香港での200万人デモと警察の対決について、門田隆将氏が極めて重大な情報を伝えている。氏によるとデモの規模がここまで拡大したのは一つにはデモ参加者の職場欠席リストが作られているから、とのことだ。各職場でこのデモ参加による欠席リストが作られれば将来反政府分子ひいては反中国共産党分子として中国本土に連行される恐れがあること。もう一つの要因がデモ参加者の間で広がった警官隊への疑念である。警官隊に「言葉が通じない」というのだ。それはデモ鎮圧の警官隊が中国から動員されたことを意味する。さらにさらに驚くべきことに彼らは「警官隊ではなく、実は軍隊ではないかいうのだ。そういう鎮圧側へのデモ隊の恐怖がさらに多くの人を街頭での行動へ突き動かしたようだ。こういう門田氏の論評だけでなく、テレビの画面を見ていると、香港行政府本部への乱入事件にしても、ヘルメットを着用して厳重に身元を隠ぺいした異様に暴力的な一団が目についた。暴力団といえば通常はスト破りだが、逆にデモ隊に交じりこんでその反対行動を犯罪的なレベルの暴力にすることで鎮圧を正当化する動機が透けて見える。だがこのようなことは新聞にはまるで報道されない。
日本の新聞はこのような情報が海外の報道で主流になると、「実は自分たちもそれを知っていた」と弁明するようなことが過去に何度もあった。表面上の当たり障りのない記事だけで、一歩踏み込んだ真実の追及になぜかくも臆病なのだろうか? 理由はわかっている、中国政府に対する遠慮である。中国にある支局の追放を恐れてのことなのだ。
月に何千円もの新聞代を徴収しながら保身が先に立つようでは、新聞の時代の終焉が早まるだけだと思う。(2019年6月)